辞めたくなってしまう”2つの感情”とは:長部愛

はじめまして。長部愛と申します。

このたび、やめない店づくりオンライン・ベースで『女性スタッフがイキイキ働く仕組みと仕掛け』というテーマで、木曜日のコラムを担当させていただくことになりました。

どうぞよろしくお願い致します。

 

さっそくですが、まずは簡単に自己紹介をさせてくださいね。

私は、1999年大学卒業後、大手アパレル会社に入社しました。

25歳で店長になって以来、27歳でエリアマネージャー、ブランド統括マネージャーを務めました。

マネージャー歴は13年に及びます。

2018年より独立し、女性スタッフとの関わり方や、モチベーションを養い育成するノウハウなどをもとに、各種研修を行っています。

また、パーソナルスタイリストとしての活動も開始。大人世代の女性に向けて、クローゼット整理やスタイリングサービスも行っています。

 

17年間同じ会社に務めてマネージャー歴13年、そして今は女性スタッフ活躍コーチ。

ここまで読んでみなさんはどんな人物像を描いたでしょうか?

さぞかし優等生だったんだろうと思ってませんか?

さあどうでしょう。

第一回目の今日は、ちょっと昔を振り返ってお話ししたいと思います。

  理想と違った現実

1999年。入社の動機は「好きな服が着れてなんか楽しそうじゃん!」と、なんとも軽いノリでした。

当時は2年くらいやったら辞めようと思ってました。

(一浪して入った国立大学を出て、そんなノリで社会に出ることを、親にはいたく叱られました。笑)

そんなチャラチャラした気分で臨んだ最初の現場は23日の新人合宿研修。

その研修は「軍隊ですか?」と思うほどの厳しさ。

ろくにアルバイトもしたことなかったわたしは、完全に夢を砕かれ一気に仕事の厳しさを突き付けられました。

「新しい洋服を着て、ニコニコして『いらっしゃいませ』と言ってればいいんでしょ?優雅にきれいにお仕事できると思っていたのに、なんでこんなことしなきゃいけないの?!こんなことさせられるなんて聞いてない!」

入社したことをひどく後悔しながら、家路に着いたことを今でも鮮明に覚えています。

(あの日から17年。同じ会社で働き続けるなんて、当時のわたしは夢にも思っていませんでしたね。) 

当時は、「こんな軍隊みたいな会社は2年で辞めてやる!」と思いながら働いていました。初めて配属されたお店の同期仲間にはいつも「辞めたい辞めたい」と言ってた気がします。

でも辞めるからには、ここで実績を作ってから辞めようと思ってたんですね。

とりあえず同じお店の同期の中では1番売りたい。

全部の仕事を一番早く正確にできるようになりたい。

先輩の仕事も任されたい。

一つでも多くの仕事をできるようになりたい。

その思いで目の前のことだけは一生懸命やっていた気がします。

ここまで読んだ方はうすうす気づいてますね?

負けん気というか生意気さに。

この生意気さがなかなか曲者でした。

 

20年くらい前の話なので今はすっかりそんなことはないのですが、当時は上下関係が厳しかったんですよね。

後輩はこうするべき、という暗黙のルールがいくつもありました。

守れないと先輩から注意を受けました。

わたしは注意されたことに少しでも納得がいかないと、「それってどういうことですか?」「なんでダメなんですか?」と平気で言い返していたんです。

それに対して「これは新人がやることに決まってるから」で済まされると、はあ???とムカついてました。

『理由もまともに説明できないのに命令すんなよ(怒)』

胸の中でこう悪態をつき、明らかに不満顔して仕方なく引き下がる。こんなことが何度か繰り返されて、そのうち諦めていきました。もちろん楽しいことや嬉しいこともたくさんあったけど、不満ばかりを数えていた気がします。

決まってることだし仕方ないと素直に思えたら楽だったけど、我慢することが苦痛でいつも辞めたいと考えてました。 

もうね・・・

面倒くさいでしょ〜?(笑)

いちいち突っかかってましたからね(笑)

「はい(ニコっ)」で済ませときゃいいのにね。

ひとっつも可愛くないわたしを辛抱強く育ててくださった先輩方には、一生頭が上がりません。 

 原体験が教えてくれた

このエピソードをわざわざ書いた理由は、2つあります。

1つ目は、

今ではチーム作りや女性スタッフの活用なんて偉そうに語っているわたしも、最初はどうしようもなく面倒くさいスタッフだったということを伝えたかったからです。

人は変わります!

そして2つ目は、

この原体験が、のちにマネジメント職に就き、部下と関わる中でとても役に立ったからです。

 

「辞めたい」

わたし自身がそう葛藤しながら働いていたことは、その後のあらゆる経験を経て、明確な答えをもたらしてくれました。

なぜ辞めたくなるのか。

どんな時に嫌になるのか。

どんなことがきっかけでやる気がなくなるのか。

そう思うきっかけや起きる事象、状況はもちろん人それぞれだけど、根本的な動機は同じだと思うんです。

 

その動機というのは、【悲しい】【寂しい】じゃないかとわたしは思ってます。(あくまで私見です)

こう聞いて「そんな子供みたいなことで?」と思う方もいらっしゃるでしょうね。仕事なんだからそんなことでいちいち悲しんでても仕方ないでしょ?と思うかもしれません。

そう割り切れる人はいいんですよ。

でも割り切れない人は?!

 

たとえば、わたしの新人時代で言えばこうです。

・「なんでこんなことしなきゃいけないの?」という疑問に「だってそれが決まりだから!」と一方的に言われた。

わたしはこのとき何が欲しかったか?というと納得です。

やらなきゃいけない理由に納得できれば、すんなり取り組めたかもしれない。

でも、自分より立場が上の人に「決まりだから。」と言われたら、それ以上は言い返せなかった。

もちろん当時の先輩は高圧的なつもりはなかったと思うんですよ。

でもわたしは言葉を飲み込んだ。

『わたしの意見は聞いてもらえないんだ。納得すらさせてもらえないんだ。わたしの存在ってなんなの?こんな思いしてまでなんで働かないといけないの?悔しい。悲しい。』

  

当時は、自分ではこんな風に自分を分析はできてなかったです。

その後マネージャーとして数百人の女性スタッフを持ち彼女たちの人生に触れていく、その中で当時の自分の葛藤を説明できるようになりました。

17年の中で何十人と退職していく子を見送りました。

そしてその何倍もの「辞めたい」スタッフたちの相談を受けてきました。

そのたびに、みな感じてることは同じなんじゃないかと気づいたんです。

  

それに気づいてからは、わたしはなるべくこの【悲しい】【寂しい】を取り除くよう努めてきました。

といっても、そんなことができるようになったのは30代半ばくらいからですけどね。

おそらくたくさんの部下をわたしも傷つけてきたし、辞めたいと思わせてきたでしょう。

こんな偉そうにコラムを書いてる場合じゃないかもしれない。

でもそのスタッフ達がいてくれたおかげで、わたしは成長することができ、人が辞めないチーム作りをすることができるようになり、今があります。

そしてわたし自身も一人の社員として何度も「辞めたい」と思いながら仕事を続けてきました。それが辞めないで17年続けてきたことにもいくつかポイントがあると考えてます。

 

このコラムでは、わたし自身のエピソードを踏まえてポイントをお伝えしてまいります。

読んでくださった方にとって気づきになったりお役に立てれば幸いです。

そしてなにより、この「やめない店づくりオンライン・ベース」が、みなさまにとって仕事とは離れてホッとできるサードプレイスになると嬉しい。

現役時代のわたしだったら、こういう読み物が欲しかったと思うから。

それでは、これからよろしくおねがいいたします。

みなさんに楽しんでいただけるように、わたし自身も楽しんで更新していきますね。