返事の良いスタッフが辞めてしまう理由と、信頼関係を築くために必要なこと

こんにちは。長部愛です。

女性スタッフとの関わり方を中心にコラムを更新しています。 

この記事から読み始めた方は是非、前回のコラムも読んでいただけると嬉しいです。

前記事:辞めたくなってしまう”2つの感情”とは:長部愛


もう2月ですね。

わたしは、女性ばかりのアパレル会社でマネージャーをしていました。

退職して3年が経ちますが、この時期になると毎年思い出します。

【人事異動】

スタッフの異動に関する商談と、個人ミーティングに追われてましたね。

そういえば、冬休みで旅行先のパリにまで電話がかかってきたことがありました。笑

会社によって異動の時期は様々ですが、マネージャーの皆様は春の新体制に向けていろいろと動き出しているのではないでしょうか。

セールが終わり、冬休みを回して、次のシーズンの勉強会準備やら、期末に向けた売り上げ確保やら、息つく暇もないかもしれませんね。

本当にお疲れ様です。

”個人ミーティング”という時間は

12月に入ると、わたしはいつも悶々と人事異動に関して悩んでいました。

数十店舗の全体感を見て人員配置するのがマネージャーの仕事。テトリスのように穴埋め方式でサクサクすすめようとすればそれもできます。

でも、スタッフ一人一人はそんな駒ではなく、彼女たちの大切な人生がかかっていますからね。

そのお店で働くことが彼女たちの人生にとって必要なステップであって欲しい。

「この子はここで、この店長とこの後輩の元でこんな風に育ってほしい。その先はこんな風になってほしい。」

そう、一人ずつの未来を想像し、納得するまで突き詰めるので精も魂も尽き果ててました。

楽しかったですけど。笑

そして異動の旨を伝える個人ミーティングは、わたしが一番大切にしているポイント

異動、昇進するスタッフには少なくとも1時間くらいかけてました。一方的に告げるだけなら10分で済むけど、相手はちゃんと気持ちがある人間ですからね。

絶対に「よし新しく頑張ろう!」と思って新天地に臨んでほしい。

そのためには、ちょっとした不安や不満や疑問はその場で解消したい。そう思っていたので、彼女たちが話し出せる時間として長めにとっていたんです。

大抵、スタッフは「異動?なんで?」と思ったとしても、小さな疑問は言ってきません。

上司にはなかなか言いだせませんよね?

だからちゃんとこちらから尋ねることが大事。

「異動と聞いて今どう思ってる?」と。

そこで何も反論されないことを良いことに流してしまうと、あとで後悔することもあります。 

把握できていなかった想い

マネージャー職になりたてのころ、わたしの担当は40店舗もあり、異動を決めるのも一苦労。社内やディベロッパーさんの了承を得ることも大変で、いっぱいいっぱいでした。

わたしの在籍していたブランドは絶好調で拡大の一途。

新人たちが2年目からどんどんサブ店長や店長になっていきます。それじゃないと店舗拡大に追いつかななかったんですね。みんな、とっても優秀でガッツがある女性スタッフばかりでした。

その中で、「お店が大好き!仕事に来るのが楽しい!頑張ります!」といつも明るくてしっかりした子がいました。

いつもそんな調子なので彼女の言葉を、丸々素直に受け取ってたんですよね。

とてもしっかりしている子だったので、将来は店長、マネージャーにならせよう!と上層部はみんな考えていました。

「まずは他のお店に異動し、サブ店長からね。これからが楽しみだな~」

そう思っていた矢先、異動して数ヶ月で彼女は退職することになりました。おめでたいことでの退職だったので、みな祝福して送り出しました。でも将来を期待していただけに内心はとても残念でしたね。

退職して数ヶ月後、お店に遊びに来てくれた彼女に

「あの異動がなければもうちょっと続けていたかもしれませんね〜」

とポロっと笑顔で言われたんです。

異動前のお店が本当に好きだったこと。

お店のメンバーが好きでずっとそこに居たかったこと。

店長になりたいわけじゃなかったこと。

・・・・・

これを聞かされた時は、本当にショックでした。

彼女の言い分そのものにではなく、その想いをわたし自身がまったく把握していなかったことにです。

そして、異動がスタッフの人生を変えてしまう怖さ。それをわたしは甘く見てたんです。

この一件で思い知らさせました。

少しの不一致があるだけで

管理する側が勝手に描いたスタッフに対する将来のプラン。

良かれとおもって用意した彼女のための舞台。

そこに彼女が求める未来は無かった。

両者の思いをちゃんと表明し擦り合せる時間はたっぷりあったのに、わたしはそれを、しなかった。「ハイ!」と素直に返事する彼女に甘えてたんです。

このほんの少しの不一致が招くものとは・・・・

せっかく大切に育ててきた宝が、こうも簡単に手からこぼれていくのか。

「なんであのときにもっとちゃんと話を聞いてあげなかったんだろう・・・」と悔しくて、悲しくて、情けなくて。

今でもあの感情が蘇って泣けてくるほど、忘れられません。 

部下の異動で気をつけるべき2つポイント

そのことがきっかけで、その後から異動に関してはとても繊細な問題として扱ってきました。

この一件を教訓に、以降のマネージャー業の中で実践してきたことは2つです。 

 

【日頃から情報収集】

異動前にバタバタと聞き出しても仕方がないので、365日、ずっとインタビューdayです。

スタッフ個々と毎日話すことは難しいので、店長にまずはスタッフのことをよく観察し状況を把握してもらうこと。

わたしの会社ではトレーナーという3〜5店舗をまとめる役職があったので、そのトレーナーにも日頃から情報を収集してもらう。幸運にもトレーナー陣が全員お母さんのようなタイプだったので、本当に助かりました。

家庭環境や、恋愛状況(笑)、悩み、将来をどう考えているのかなど、細かく把握してくれてたので、おかげで会えなくてもスタッフの状況が把握できるようになりました。

手が足りないお店には、担当営業の男性社員やディベロッパーさんに「普段どんな雰囲気か?」とか「スタッフと話したこと教えてください〜!」と協力をお願いしていました。

また店舗巡回の際には、できるだけ店長以外のスタッフとも休憩時間は一緒に出て話を聞くようにしました。仕事の話ではなく、わたしもプライベートの話をして距離を近づけるように。

休憩時間が取れない場合は、店内で作業しながらとかストック整理を一緒にしながら「最近どう?このあいだの〇〇はどうだった?」と話してましたね。

なので、なるべく自分の仕事はお店ではしませんでした。

女性にとって、恋愛と家庭の環境はとてもとても大切なんです

自分のことよりも優先しがち。

つい1ヶ月前まで「もっとこんな風に成長したい!」と思っていても、すぐに気持ちは変わります。家族が大変な状況になったり、恋愛の変化で180度生き方を変えれてしまうのが女性なんです。

半期に1回会って話しても、次に会った時にはまったく違うビジョンになってることなんてザラです。

だから、なるべく早く変化に気づけるように、変化しそうだと先読みできるように、日頃からのコミュニケーションに重点を置きました。

【ミーティングには時間をかける】

一人ひとりのスタッフがいま何を求めているのかを知り、それに対して本部としての想いをきちんと伝える。

そのための時間を削らないことです。

時計をチラチラ見られたり、急いで話されると「忙しそうだから、今言わないほうが良いかな」とスタッフは口を閉ざしてしまいます。

だから、時間を気にしない(ふりをする)。

ゆったりと安心して話し出せる雰囲気をつくる。

周囲が気にならない場所を選ぶ。

座る位置にも気を配ります。このことをとても意識していました。

全員が納得のいく異動話ばかりではないのが実情。

だからこそ!

彼女たちが不安や不満を言い出しやすい環境にしてあげることも大切。

スポンジと一緒です。

ぎゅーっと中の水を一旦絞り出してあげる。そしたら新しいお水を吸い込めるから。「次のお店でのわたしの役割はこれですね!わかりました!」と納得できるまで、切り替えられるまで十分時間をとる。新しいスタートがお互いにとって気持ちよく始められるように。

1年に1回、半年に1回くらいのものです。

大切なスタッフへのプレゼントだとおもって。

費用対効果が高いのはどちらか?

「そんなことまでしなきゃいけないの?」

「めんどくさいな〜」

と思われるかもしれませんね。

ご自分でなんでも「はいっ!」と前向きに捉えられる方は、こんなことする意味がわからないかもしれません。

正直ね、めんどくさいですよ〜(笑)

でも、考えてみてください。 

 

1)辞めたスタッフ分の求人を出し、面接し、新しく教育する

2)育てたスタッフの話を聞く時間を作る

1)と2)どっちがいいですかね??

費用と時間とエネルギーをかけて、効果が高いのはどちらでしょうか?

わたしは断然2)のほうが効率的だと考えています。

 

人事異動の観点から今回はお話を進めてきましたが、結局はどんな問題も行き着く解決策は同じですね。

『相手をよく知ること』

接するスタッフたちがどんなことを大切に生きているのかを知ることが、起きうるトラブルを少なくしてくれます。

そして「うちの上司はわたしのことやみんなのことを知ろうとしてくれてる」と感じるほど信頼関係は密になり、ロイヤリティが高まるんだと思います。

とくに女性は。

もともと昇進意欲とかあまり無い人が多いですからね。笑

大切にされてる、必要とされてる、という実感が大切な生き物なのです。なにも女性ばかりでなく人間はみんなそうかもしれませんね。


これを読んでくださってる方で、とてもお優しい方は、「もっともっと自分の時間を部下に使わないと!」と思ってくださったかもしれません。

でも気をつけてくださいね。

大切なのは、店長やマネージャーさんのようなみなさんがご自分を十分に満たしていることです。

トップに立つ人こそ、ボロボロになっちゃダメ。

ここが一番大切なんです。

いつかこの辺のお話も書きますね。

本日も読んでいただいてありがとうございます!