特性を活かしたマネジメントをするための『問いかけコミュニケーション』

こんにちは。特性心理学の笹田です。

前回のコラムでは、特性心理学に触れていただくために、例として、生命線の見方の基準をお伝えしました。

前記事:掌(てのひら)を観れば、その人の特性が見えてくる

特性心理学では、こういった基準を元に、手相に表れる特性を観て、会話のキッカケを作り、コミュニケーションを取っていきます。

そうすることで、スタッフが辞めてしまう理由を減らすことができるからです。

 

スタッフが辞める大きな理由のひとつには、『自分の能力を活かせない』という点が挙げられます。

「この店にいたら、全然自分を活かせない」

「もっと自分の能力が発揮できる職場があるんじゃないか」

といった理由で、退職してしまうスタッフは非常に多いのですね。

 

一方で、店長自身も、できれば、スタッフの良い部分を伸ばしてあげたいと考えています。(実際にそんな店長はとても多いのです)

ですが、日々の業務が忙しく、なかなかスタッフの仕事ぶりも観察できていなかったり、振り返りをするためのミーティングの時間も取れなかったりで、『スタッフの良い部分を活かす』ことが、今はとても難しい、という状況もよく聞きます。

 

そこで、たった3分で、スタッフの強みを発見・フィードバック・目標設定につなげることができる、魔法のコミュニケーション法をお伝えしましょう。

この方法をご活用いただければ、前回、例としてお伝えした『生命線の見方』を、更に活かすことができます。ぜひご活用ください。


【断言せず、意味を伝えて問いかける】

例えば、スタッフAさんの手相から特性を引き出そうとする場合。

Aさんの手相が、張り出しの強い生命線に該当するとしたら。

(店長)
「Aさんの生命線の様子を見ると、じっと考え込むよりも、すぐに行動に移すような傾向にあるね。外で遊んだり、スポーツなんかを好む部分もありそう。加えて、積極的とかリーダーシップという特性の資質が出ているんだけど、自分の様子を振り返って、思い当たることってある?」
(Aさん)
「私、実は学生の時、スポーツやってたんですよね」
(店長)
「そうなんだ!何のスポーツやってたの?」
(Aさん)
「バスケです」
(店長)

「そうだったんだ!じゃあやっぱり、俊敏性が大切なスポーツをしていたんだね。ということは、もしかして、周りの人の動きを見て、今自分がどう動けばいいか?とか、スタッフの配置なんかを考えるのって得意?」

(Aさん)
「う〜ん、確かに言われてみれば、無意識に考えてるかもしれません」
(店長)
「おっ!意外な才能が発見できそうかも!じゃあ、今日の夕方の休憩を回すタイミングをちょっと見てくれたりしないかな?お客様の流れを見て、“ここで休憩回すとバッチリ回るはず!”ってタイミングが来たら、教えてもらえる?」

こういった会話が行えると、相手の特性から、仕事で生かせる強みを引き出したり、それを元にした目標設定などができるようになりますよね。

これが特性心理学をコミュニケーションに使うことでできる、マネジメント法のひとつです。

 

ただ、この例で、

「あなたは考えるより、直ぐに行動する人だね」

というように断言してしまうと、答えがYESかNOに限られてしまうので、

「当てはまっている気がします」

「そうなんですね」

などで会話が終わってしまい、そこから先の目標設定までたどり着くことができません。

ですので、特性心理学を使ってコミュニケーションを取る場合は、あくまでも断定するのではなく、問いかけることを基本にします。

 

先ほどのように、

(Aさん)
「あ、そうですね。当てはまるところあります。」
(店長)
「へー、そうなんだ!どの辺が当てはまると感じたの?」
(Aさん)
「私、実は学生の時スポーツやってたんですよー」
(店長)
「そうなんだ!スポーツ何やってたの?」

こう尋ねていくことで、学生の頃やっていたスポーツから、

・「何年やってたの?」

・「ポジションは?」

・「そのスポーツの魅力は?」

などのヒアリングができます。

それをキッカケにして、相手から話を聴くことで、その人の特性が表れている部分を見つけ出すことができれば、特性に合わせた目標設定をすることが可能になるのです。 

【当てはまらない様子でも引き下がらない】

 しかし時には、「当てはまらない」「そうとは思えない」という返答をされるケースもあります。

その場合にはどうするか、悩みますよね。

実はこの解決策はとても簡単です。先ほどと同じように尋ねればいいんです。

(店長)
「そうなんだね。当てはまらないと感じたのは、どんなところ?」

そう尋ねてみて、相手が

(Aさん)
「私はスポーツ音痴だし、行動的って言うよりも、どちらかと優柔不断で全然積極的なんかじゃないし…」

このような返答をされた場合に、「そうか、それじゃ違ったみたいだね…」みたいに引き下がってしまうと、お互いの間に非常に微妙な空気が流れるだけで終わってしまいます。

そんな時こそ、

(店長)
「じゃ、どんなことをやるのが好きなの?趣味とか学生の頃やっていたこととか、部活とか、なんかやってた?」

このように当てはまることがなくても、話を聴くチャンスでもありますし、当てはまっていないからこそ、(相手に関心を持っていれば)何でも自由な問いかけができるキッカケにもなります。

また、1回目のコラムでお伝えしたと思いますが、右手は左脳的要素、要するに、学習によって培われてきた要素でもあるので、(これはちょっと高等テクニックですが)

「もし、隠れた才能として、今後その能力が現れてきたとしたら嬉しい?」

といったような問いかけもできると思います。

人は、気持ちよく話を聴いてくれる人に、好感を抱きやすいので、手相の意味は伝えるけえれど、断言することなく、しっかりと相手の話を聴き、問いかけることを意識してみてください。

 

そして、手を開いて、ふれあいを伴う会話は、手の内を明かし、相手を招き入れる準備完了の姿勢でもあります。

相手に心を開く姿勢にも繋がりますので、ぜひ、手と心のふれあいを伴いながらの会話を大事していただきたいと思います。

次回は、手相の様子と自分の認識がずれている場合についてお伝えします。