脱・デキる上司!【ダメ上司】のススメ

こんにちは。長部愛です。

レディスアパレル会社での10年以上のマネージャー経験をもとに、毎週木曜日のコラムを担当しています。


前号では「部下のロールモデルになりましょう!」という内容を、前々号では「ミーティングに時間をかけましょう」という内容を書きました。

前記事:女性スタッフのモチベーションを高く保ちたいなら、ロールモデルを目指そう

前々記事:返事の良いスタッフが辞めてしまう理由と、信頼関係を築くために必要なこと

でも、書きながら思ってたことがあります。

やった方が良いことなんて知ってる・・・良い仕組みもやり方もそんなことわかってるよ・・・できることなら全部やりたいさ、そりゃ!でもなんでわたしたちばっかり・・・涙」 

現役マネージャー時代のわたしがこのコラムを読んだら、こんな風に感じたかもしれないな。

「自分で自分を満たす大切さ」に気づく

欠員店舗のシフトまわし、接客、VMD 修正、営業会議、週報まとめ、勉強会の準備、クレーム対応、スタッフミーティング、バイト募集、面接、SNS更新。

目の前のやらなければならないことを全てこなすだけで一日が終わる。

下からも上からも「もっとああしろ、こうしろ」と言われるけど、もうこれ以上無理。

業務以外のことを考える時間が無い。

そんな管理職の方は多いのではないでしょうか?

わたしは長年、上記のような感じでした。

その忙しさが「仕事してる!」という充実感につながっていたし、好きでやっていたのでなんの疑問も持っていませんでしたが 

 

そんなときに、上司とうまくいかなくて悩むことがありました。

そこで、日曜日のコラムを担当されてる兼重先生に相談したのです。

すると兼重先生は「上司をねぎらってみない?」とご提案されたんです。

 

参考記事:あなたの上司が、あなたをねぎらわない理由

(この中に登場するAさんとは、わたしのことです)

 

上司をねぎらう?

なんでわたしがそんなことしなきゃいけないの?

ねぎらってほしいのはわたしの方だよ。

それが上司の役目でしょ?

給料たくさんもらってるんだからそれくらいやってよね!と本気で思っていましたからね。笑

そんな気持ちの余裕なんて無かった。

 

この一件を経て

上司をねぎらうということを知って、その効果を目の当たりにわたしは強く感じたんです。

ねぎらいってすごい。

でもそれには、まず土台としてねぎらう側に気持ちの余裕が必要なんだ!

わたしが誰かをねぎらうマインドでいるためには、自分で自分を満たしてなきゃいけないなと。

中間管理職は、求められるばかりで褒められることもなければねぎらわれることなんてほとんど無い。

自分に関してコメントされることもほとんどありません。

そして「〜してくれない!」と周りに不満を持つだけ。

でもそれは悪循環しか生まない。

それなら自分でなんとかしようと思ったんです。

 

自分を満たすために決めた”覚悟”

自分を満たす。

自分を大切にする。

最近この言葉をよく見かけますよね。

でも「やり方がわからない」「なにからすればいいの?」という方も多くいらっしゃいます。

わたしが試してみたことをお話ししますね。

何かの役に立つと嬉しいです。

 

【ダメ上司になる覚悟】

 

わたしは気持ちの余裕がほしいと思いました。

店長やマネージャー、経営者という立場は、本来は実務ではなく、先を見るという仕事の方が大切だと思うんですよね。

それなのにいつまでも目の前の仕事に追われてる。

その状態がおかしいと思ったんです。

 

だから、徹底的に仕事を減らして、周りに振りまくることにしました。

  • 提出書類の削減
  • 自分以外でもできることはやらない
  • 残業は一切しない
  • 店長に決定権を委ねる

この4つを徹底的にやりました。

突然こんな風に切り替えたので、当時同じブランドのチームメンバーにはいい迷惑だったと思いますけどね。

理解していただいてとても助かりました。

 

もちろん、自分との葛藤もずいぶんありました。

だってそれまでは全部、「やります!」と引き受けてたことを、「やって!」とお願いしなきゃいけない。

「計画書はある?」と聞かれても「ありません」と答えるときのドキドキ。

『あいつサボってるな』『使えないヤツだ』と思われてるんだろうなと、内心ビクビク。

だれも帰らない中、定時で「お疲れ様です!」と伝える居心地の悪さったら・・・

店長にはさっさと答えを与えたくても「店長はどうしたい?」と待つ時間のイライラ。

ビクビク、ドキドキ、イライラ、居心地の悪さ。

それらと引き換えにでも、本当に自分が必要ないと思ったものを一旦なくしてみたんです。

 

変化は至る所に

そしたらあら不思議!

ものすごく気持ちに余裕ができました。

プライベートもとても充実してきました。

勉強会やミーティングなど、わたしにしかできないことに注力できるようになったんです。

外部で学んだ内容をスタッフに落とし込むことができるようになりました。

わたし自身も本当にやりたい仕事ができるようになったんです。

すると、

店舗巡回してても、スタッフには「マネージャーはいつも楽しそうですよね^^と言われるようになったんです。

 

そして、何が一番感動したかって。

店長もお店のスタッフも指示を待つのではなく、自分たちで考えて動けるようになったことでした。

自分で考えて決めて、自分で行動する。

結果が良くても悪くても、それが仕事の面白さですよね!

それを体感してくれるスタッフが多かったように思います。

異動の時期には、

「このブランドから出されるくらいなら会社辞めますよ!」という店長がいたり、

まわりのブランドスタッフからは、

「いつもスタッフさんが自由で楽しそうでうらやましい」と言ってもらえるようにもなりました。

社内で唯一、ブランドの予算達成したこともありました。

いやー!ダメ上司になると、部下がよーく育ちます!笑

まあ、素晴らしいスタッフばかりでした。

(上司には頼れないですからね^^;

どのスタッフも頑張りやさんで、素晴らしいな~と心から思ってました。

上司に対しても愚痴るよりも自然と、「大変だよなぁ」と思う余裕すら出てくるし、正直気にならないので不満もあんまり無くなるんですよね。

 

わたしが最終的に目指していたのは『マネージャーが不要なブランド』だったんです。

当時のわたしの役目は

  • スタッフの話を聞くこと
  • 元気を与えること
  • 何かの時には頭を下げること
  • 未来を見据えること

と考えていました。

だから、それ以外は手放したんです。

「あいつ、最近やる気ないな」「もっと仕事しろよ!」ときっと同僚や上司には思われてたと思います。

「他のブランドマネージャーに比べて、うちのマネージャーは何もしてくれない」とスタッフも思っていたかもしれません。

 

ゆとりを自ら作り出す

わたしは、試してみたかったんです。

 

●”やらなければいけないことが果たして本当にそうなのか?

ついつい慣れでそう思い込んでいるだけで、必要のないものまで抱え込んで本来やるべきことをやってない。だから疲弊するんじゃないか?

 

当時の担当ブランドは消滅してしまったので、結果的にわたしが試したことが、良かったのかどうかはわかりません。

でもあの時、わたしが接してきたスタッフの姿や、周囲からかけられた言葉はひとつの正解とも思えます。 

 

ついつい部下にばかり気を取られてしまうけど、

管理職の人間が最初にすべきなのは、自分を大切にして、自分にしかできない仕事に注力すること。

それをできるようにするには『ゆとりを自ら作り出す』ことが必要なんじゃないかと思うんです。

そのためには固定概念を一旦横に置いてみて、仕事内容の断捨離です。

あれもこれも背負ってしまう方こそ、ときに【ダメ上司】になってみるのも一つの手かもしれませんよ。