お店で起こる問題は、ミスコミュニケーションから?ただただ話を聞く大切さ

こんにちは。長部愛です。

レディスアパレル会社での10年以上のマネージャー経験をもとに、女性スタッフとの関わり合いについてのコラムを書いています。


前回のコラムはお読みいただけましたでしょうか?

前記事:脱・デキる上司!【ダメ上司】のススメ

かなりチャレンジングな内容を書いてしまったな、と内心ヒヤヒヤしながらアップさせていただきました。

経営者の方が読んだら不愉快に思われたかもしれませんが、いたって真面目に書いておりますのでご了承ください。

 

”感情”を動かす

 

「最近の若い人は全然出世欲が無いですよね。役職につきたがらなくて困ってます」

こんな言葉を耳にします。

わたしもそれは肌で感じていました。

なので、脱・デキる上司はその対策の一つだったんです。

「マネージャーになったら楽しそうだな

むしろわたしは、そう思わせることに必死でした。

みなさんも楽しそう!という理由で、お店を選ぶことってありませんか?

何か習うときも、アクティビティをするときも選ぶのは、楽しそう!ではないでしょうか。

「楽しそう!」なんて、社会人としては曖昧すぎてバカバカしいように思えるかもしれませんが、理屈でいろいろと説明して納得させようとしても、なかなか人は思い通りに動いてくれませんよね?

でも、人は感情が動くと、行動が変わります。

誰かの行動を変えたい時ってその人の感情を動かすことをわたしは意識しています。

 

その感情はどんなものでもいいんです。

・嬉しい

・楽しい

・悔しい

・悲しい

・怒り

その人にとって、印象的であればあるほど効果的。

例えば『泣くこと』も感情が揺さぶられますよね。

 

問題児だったAさん

 

以前こんなスタッフ(Aさん)がいました。

彼女は、一人態勢の時間にスマホを見たり、ストックにこもっている、と近隣店舗のスタッフから忠告されたんです。

入社して数ヶ月が経っても、学生気分が抜けきれない新人スタッフでした。

店長や他のスタッフが現場を目撃して何度注意をしても、その時は反省の言葉を言うけれど、次から次へと問題を起こします。

次第にAさんは、注意する店長には反抗的な態度になり、

ある時店長は「Aさんと関わるのはもう限界です」と泣きついてました。

 

Aさんはストック整理など作業がとにかく嫌い。

でも、接客がとにかく大好き。

みんなが嫌がる声出しも、大きな声でいつも楽しそうにやる子でした。

 

そこでわたしがミーティングしてみることにしたんです。

  

席に着くや否や、開口一番に

Aさん
わたし、辞めます。店長に怒られるのもう嫌だし、店長のこと尊敬できないしっ!!」

と、ふてくされた様子で言いました。

 

長部
「ふ~ん、辞めてどうするの?」

Aさん
「バイトします。お母さんも辞めて良いって言うし」

長部
「そうなんだ。どんなバイト?」

Aさん
「ファストフードとか・・・お母さんもそうすれば?って言うし」

長部
「接客は好きなのね?」

Aさん
「好きです。でもストック整理とか作業が嫌いです。できなくていちいち怒られるし」

長部
「〇〇さんはとても接客楽しそうにやってるもんね。」

Aさん
「接客は楽しいんですよ。お母さんも楽しそうにやってるねって言ってくれたけど」

長部
「お母さんと仲良しなのね」

Aさん
「はい!!なんでわかるんですか?」
Aさん

長部
「だってお母さんって言葉がもう3回も出てきたよ」

Aさん
「そうですか~?!気づかなかった(笑)就職できて、お母さんが喜んでくれたんです。ツライならやめて良いと言ってくれたけど、本当はやめてほしくないはずです・・・(涙)」

 

いつも元気でお調子者キャラのAさんが、ポロポロ涙を流して初めて見せる泣き顔でした。

 

長部
「本当にやめたいの?」

Aさん
「わかりません・・・でもお店のみんなにも嫌われてるし」

長部
Aさんの良いところはさ、接客がとっても元気で声出しもよ~く頑張ってくれるから、お店が活気がでるんだよね」

Aさん
「そうですか?!そんなこと誰も褒めてくれません(涙)」

長部
「ごめんね。ちゃんと伝えてなくて。でもこのお店にはあなたが必要だと店長も私も思ってるんだよ。」

Aさん
「本当ですか?店長には嫌われてると思います(涙)」

長部
「ちょっと想像してみてね。一生懸命教えてる後輩に何度言っても聞いてもらえなかったり、注意しても反抗的な態度を取られたら〇〇さんはどう?」

Aさん
「・・・・ムカつきます^^;」

長部
「だよね。店長が自分の仕事もこなしながら毎日〇〇さんに向き合ってきてくれたはずだよね?〇〇さんが店長だったら同じことできるかな?」

Aさん
「できないです。そんなこと考えたこともなかった・・・店長も大変だったんですね」

長部
「アンタが大変にさせてるのよ~!笑」

 

ふたりで爆笑

 

Aさん
「マネージャーに話したらなんかすっきりしました。辞めるの、もうちょっと後にします。笑」

長部
「よし、じゃあ今までやらかして失った信用をどうやって回復する?」

Aさん
「とりあえず店長に謝ります。でも、あんまり怒らないでって言いたいです^^;」

長部
「そうね。店長にも言い方を変えてもらおうね」
 

 

その後、店長とAさんはお互いに腹を割って話しました。

Aさんは苦手な作業でモチベーションが下がるなら、得意な接客を優先することでお店の売り上げに貢献するように!と決着したそうです。

数ヶ月後、彼女はお店で一番売り上げるスタッフになりました。

そして、接客には在庫の把握が必須だと気づき、ストック整理の重要性を痛感してました。

店長とAさんは、あんなに憎み合っていたのが嘘のようにお互い「大好き!」という仲になっていました。(めでたしめでたし)

 

ただ話を聞いてあげることで

 

今回の場合のように指導が行き詰まった場合には、起きたトラブルとはまた別のことが起因していることがあります。

・不満や怒り

・自分の不甲斐なさを認められずに八つ当たり・・・などなど

そこを突き止めて溶かさないことには、注意してその場は説き伏せられてもいずれまた火がつきます。

これだと火消し作業を延々とやり続けるだけになります。

そして、最悪な場合は本当の理由を言わずにスタッフはお店を去ってしまうかもしれません。

 

お店で起きるたいていの問題はミスコミュニケーションによって起こります。

『正しい・正しくない』だけの指標ではなく、人として、それぞれに違う特性を持つ者として理解し合う努力をしたいですね。

そのためには指導するのではなく、まずはスタッフの話をただ聴いてみてほしいです。

そこが関係性の土台になります。

 

1)スタッフの言い分をすべて聴く

2)否定しない。言葉をさえぎらない

3)スタッフが大切にしていることを知る

4)ねぎらいを伝える

 

女性はこうして、ただただ話を聞いてもらうだけで嬉しくなり、すっきりするものです。

否定されない環境ではじめて安心感を得て、本来の力が出せます。

本音が出せます。

見てもらえている、必要とされていると感じることで承認欲求が満たされます。

そしてここに居たい、ここで貢献したいと思うようになるんだと思うのです。

逆に否定される環境では、同じエネルギー量で反抗してきますから。

そうなると厄介ですよ。

ミスやトラブルを頻繁に起こすスタッフは、目の前のトラブルそのもののだけでなく、その奥の動機を探ってあげてくださいね。