【「やって当たり前」の風土は、どこから生まれるか】

今週も当サイトに、お越し頂き、ありがとうございます。

 

先回は、「あなたの上司が、あなたをねぎらわない理由」について、

ある女性リーダー、Aさんのエピソードから、お伝えしました。

 

前記事:あなたの上司が、あなたをねぎらわない理由

 

実は、非常に多くの反響を頂き、

それだけ、「なんで、うちの上司は、部下を全くねぎらわないんだ!」と感じている方が多いのだと、改めて実感しました。

 

はい、、、上司も、ねぎらってもらっていないのです。

 

「出来て当然」

「やって当たり前」

皆さん以上に、「上司(店長・マネージャー)なんだから、それくらいやれるだろう」

と言われる日々。

 

いつしか、

「どうせ、私なんか、どれだけ頑張っても誰も認めてくれないんだ」

「オレの努力なんか、誰も見てないんだ」

 

と、心が「頑な」になり、自分にも人にも、厳しい態度で接してしまう。

 

良く言われますが、

「人は、受け取ったものしか、返せない」のです。

 

ねぎらわれていないから、「ねぎらい方」がわからないのです。

 

【実は全くねぎらわれていないのは……?】

 

上司もねぎらわれていない。

 

つまり、そのまた、上司もねぎらわれていない。

 

そのまた上司も。

 

……とずっと遡っていくと、

最後は、経営者にたどり着きます。

 

以前、ある経営者向けの「人材育成セミナー」で登壇させて頂いたときのこと。

 

「職場には、“ねぎらい”が必要です」

「日々の“当たり前”にこそ、ねぎらいましょう」

 

という話をさせて頂いた後、最後に、

 

「ところで、皆さんは、ご自身のことをねぎらっていますか?」

 

と、問いかけてみました。

 

経営者の皆様は、一同、「ぽかーん」とされていました。

 

「自分をねぎらう?……って、なんなん」

 

そもそも、「ねぎらう」という言葉に触れることも

ましてや、「自分をねぎらう」という発想も、これまで、「皆無!」とおっしゃる皆様。

 

「部下を認め、労苦に感謝をする」ことが、上司の役割であるならば、

それを、最も実践しなくてはいけないのは、「経営者」です。

 

しかし。

残念ながら、経営者は、全くもって、ねぎらわれることはありません。

 

思い返してみてください、

 

「社長!この会社で働かせて頂き、ありがとうございます!」

「毎月のお給料、本当にありがとうございます!」

「今日は、創業記念日ですね!この会社が誕生してくれて本当にありがとうございます!」

 

なんて、、、ちゃんと、伝えたこと、あります?

 

それどころか、

 

「働いてやってんだよ」

「給料、安すぎ」

「創業記念日?そんなの、あるんですか?」(あるわ!)

 

これでは、たとえ、自分の会社でも、泣くに泣けないでしょう。

 

多くの(すべてとは言いません、多くの)経営者は、

誰よりも、働いています。

 

にも拘わらず、なかなか人から感謝されることはありません。

 

「社長なんだから、当たり前でしょ?」

やはり、その一言で終わっていきます。

 

なので、このようにお伝えしています。

 

「経営者こそ、自分で自分を、ねぎらいましょう」

 

「まずは、自分のことを認めましょう」

 

「よくやってるじゃないか、と労わりましょう」

 

冒頭の、「人材育成セミナー」でも、同様にお伝えしたところ……。

 

相変わらず、「ぽかん」とされている、熟年の経営者群。

 

「自分をねぎらう……、って、例えば、、、温泉に行ったりすることですか?」

「ゴルフなら、、、毎月行ってますけどね」

「お姉ちゃんのいるお店なら、定期的に……」

 

それは、「ねぎらい」ではありません。

「ご褒美」、もしくは、「ストレス発散」です!!

 

自分で自分の労をねぎらうこともせず、ストレスをため込み、それを発散することで、自分を保つ。

それが経営者と言う仕事。

 

なんだか、とても、切なくなりました……。

 

【誰よりも、自分に厳しい経営者】

 

経営者の方は、当たり前ですが、ご自身のビジネスなので、少々のことでは落ち込まないし、諦めたりはしません。

 

むしろ、「失敗」を糧に

「何クソー!」

「いつか見返してやる!」

と言った、アグレッシブな感情も、全てエネルギーに変えて、進むことができます。

 

そして、つい、同じ温度で、部下と関わってしまうことがあります。

 

「こんな風に言われて、悔しくないのか!」

「普通は、ここで、見返してやるだろう?」

「リベンジしろ!それでも、男か!」

 

それは、まさに、自分に言い聞かせてきた言葉

心折れそうなときに、自分を奮い立たせてきた言葉、です。

 

だから、時に、

不甲斐ない(ホントはちっとも不甲斐なくないのですが、経営者の目から見ると)部下に苛立ちを感じてしまうのです。

 

その「苛立ち」が、その会社の「企業風土」を生んでいる例も、決して少なくないのです。

 

【感謝を素直に伝える文化】

 

以前、ある企業様で、「ねぎらい研修」をさせて頂いたときのこと。

 

・「ねぎらい研修とは?」

 

経営者から、各地区の女性マネージャー宛てに、「ねぎらいレター」を贈って頂きました。

 

「この会社で働いてくれてありがとう」

「苦しい時こそ、みんなを引っ張ってくれてありがとう」

 

全員が、号泣しながら、手紙を読みました。

 

その後、彼女たちは、自分の担当店舗へ「ねぎらい」を伝えていくのですが、

実は、後日談があります。

 

社長にも、「感謝の手紙」が贈られたそうです。

 

彼女たちが、店長たちに呼びかけ、

 

「社長!この会社で、働けて、幸せです!」

「社長のためにも、もっと頑張りたいです!」

 

の気持ちを、伝えたそう。

 

社長……嬉しかったでしょうね。

 

閉鎖的でギスギスしていた、その会社の風土も、そのことをきっかけに、「互いに感謝を伝え合い、互いを尊重する文化」が育っていったのです。

 

結局、何が言いたいかと言うと、

 

「経営者ほど、ねぎらわれていない」

「経営者ほど、ねぎらいなんか必要ない、と思われている」

「経営者ほど、これくらいやって当たり前、と自分に言い聞かせている。時に、それを、部下にも押し付けてしまう」

 

……ということを、知っておいて頂けたら……と思うのです。

 

「社長をねぎらいましょう!」などと言うつもりはありません、

ただ、知っておいてほしいのです。

 

「なぜ、うちの会社は、誰もねぎらわないんだ」と思った時、

「ああ、、、社長がねぎらわれてないからだ」と。

 

 

世の中には、色々な経営者がいて、

中には、全く尊敬されない、従業員が集まると、必ず社長の悪口になるような会社もあります。

(時効なので言いますが、自分がかつて働いていた会社もそうでした。

みんな、社長のことも、会社のことも嫌いでした。本当に社内の雰囲気は最悪でした。

……そして、その会社は数年後に倒産しました)

 

社長も、恐らく、、、自分が慕われていないことは、薄々気づいていたと思います。

「オレがこんなに必死になって頑張ってるのに、お前らは陰口叩くだけかよ!」

が、本音だったかもしれません。

 

そりゃ、楽しくないですよね。

社長が楽しくないんだから、従業員は、それ以上に楽しめないですよね。

 

ぶっちゃけ……、社長の悪口言ってたって、何も変わりません。

今より良くなることは、決してない、「ねぎらい」どころの話じゃなくなっていく。

 

悪口を言い合い、互いに責任をなすり付け合うだけの関係より、

たとえ、「やって当たり前」のことであっても、

むしろ、「やって当たり前」のことだからこそ、素直に感謝を伝え合う関係を築けたのなら、

「ねぎらい不足」が原因で辞めていくことは、今より少しは、減っていくように思うのです。

 

 

自分も経営者のはしくれ、として

 

「経営者こそ、ねぎらい不足になってんで」

 

ということを、今日は、お伝えしました。

 

これをお読みの経営者、オーナーの皆さん、

たまには、思いっきり、ご自身をねぎらってください!

 

「えらいぞ、自分」

「よくやってるぞ、私」って。

 

どうしても、うまく自分をねぎらえない時は、いつでも、ご一報くださいね!


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