『できないことを認めて甘える?』周りが喜んで補ってくれる仕事の仕方

こんにちは。株式会社マイクレドの稲森愛弓です。

このコラムでは、『言葉がけ』による、人材育成のポイントを中心にお伝えしています。


私のお店には「福の神」がいます。

「何じゃそりゃ?」

と思った方も、最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

 

今回は、

丁度4年前、まだ私が色んな事を手放せずに、

必死で頑張って、空回りオーナーをやっていた頃にかけた求人でやってきた、

私よりもひと回り年上のパートさんのお話です。

 

お店を開店してから、

それまでは私よりも年配の方の面接はお断りしていました。

 

なぜなら、若いアルバイトの子たちの育成ですら

うまくいかないことが沢山あるのに、

年上の人の育成なんてできるわけがないと、私が「思い込んでいた」からです。

 

だけど、後にその人が、「福の神」のような存在になる事を知ってか知らずか…

その時はただ何となく、「面接しましょうか?」と、

応募のお電話の際に口走っていました。

 

そして、お会いした時に、(やっぱり何となくでしたけど)

「私は年上の方にお仕事を教えた経験がありません。

うまく接することができるかどうかわかりませんが、やってみますか?」

と、その時の正直な気持ちでお伝えしました。

 

その人は、お人柄がにじみ出た優しい笑顔で、

「はい!やりたいです。」と静かに答えてくれた事を

今でもはっきりと覚えています。

 

そして、採用!

 

仕事ぶりはというと、まあまあ、、どんくさ。。。

いえいえ、不器用だし忙しくなるとテンパる方でした。

 

たこ焼きを焼く技術も、いまだに苦手な方だし、

出来上がった商品を「〇〇の方にお渡ししてくださいー」と声かけしても

「はい!」と元気よく返事をして、違うお客様に渡してしまったり。。。笑

 

そんな時には「オーダー聞いたん誰でしたー?」とか、「はい!切り替えて、集中しましょ!」と軽くネタにして、笑いながら何度も何度も経験を重ねてもらいました。

 

全てを一人でできるようになるまでに、半年以上かかったように記憶しています。

 

そうして、沢山の時間と経験、私の想いを深く理解してくれた彼女に

お店を任せるようになってから、私は衝撃と感動を味わうことになります。

 

頼まれていない事、それも本来私がやるべき仕事や

私が忘れていること苦手な事を、

さりげなくそっと影でやってくれています。

黒子的存在です。

 

若いアルバイトの子たち、みんなと仲良くなって

悩み相談にのってくれていたり、

新人さんのサポートにあたってくれています。

みんなのお母さん的存在です。

 

お店の中にもその愛は溢れていて、気づくと、

彼女の工夫や仕掛けが、そこかしこに散りばめられています。

 

 

いつからか、彼女は私の中で、

『お店やスタッフの現状なども自然に相談でき、とっても頼れるなくてはならない存在』

になっていました。

 

ある日、率直に聞いてみました。

「どうしてここまでお店の為にやってくれるんですか?」と。

 

その答えは目から鱗でした。

「必要とされて、自分が活躍できる場所があることが嬉しいから、やりたくてやってるんですよ」

って。

 

衝撃でした。

私の中の色んな思い込みがひっくり返されました。

「感謝の循環」ってこういう事なんだと教えてもらいました。

 

そして、こうも付け足しました。

「自分は不器用だから、頑張ってできるフリはしないで、

できないことは認めて甘えるんです。」と。

 

これね、その時の私に一番必要な言葉だったんです。

 

何でもできるつもりで、みんなの仕事を奪って自分の手柄にするのではなく、

少しクオリティが下がったとしても、ひとりひとりが、必要とされてるんだと実感できて、

安心して楽しく活躍できる場所を用意する事が、私の仕事なんだと、

気づかせてもらいました。

 

一回り年上のパートさんとのお付き合いは、今年で5年目に突入しますが、

彼女のあり方は、今でもずっと変わらず、

温かな笑顔で優しくサポートし続けてくれています。

 

お店の中でもみんなにとっても、

そこにいてもらえるだけで安心できる、大きな存在です。

 

そして、飾らない自然体の彼女と仕事をすると、

不思議なことに私の肩の力も抜ける。

 

今までお願いできなかった事を言えるようになったり、

素直に甘える事ができるようになったり。

 

お願い事は快く引き受けてもらえて

甘えると喜んでもらえる事を知ったり。

 

完璧な店長を目指さなくても

完璧なオーナーじゃなくても良かったのです。

 

むしろ、ちょっと抜けてるくらいがちょうどいい。

みんなが喜んで補ってくれるから。

 

そんな体験から私は、

心からの「ありがとう」を言えるようになりました。

 

頑張りすぎて手を抜けない頑固者の私のお店は、

彼女のおかげで笑顔と優しさが溢れる居心地の良いお店になりました。

 

あの時感じた「何となく」は大正解でした。

 

私がその方に還せるものがあるとすれば、

できるだけ長く働きやすい環境を整えることくらいしかないけれど、

1日でも長く、笑いながら一緒にお仕事ができたらいいなあと思っています。

 

このお話、彼女に見せたらどんな顔で、なんていうかなあと思うと、、

ニヤニヤが止まりません笑

 

今日は、私のお店の「福の神」のお話でした。