孤独な誰かがいるからこそ、自分から循環を始める人になろう!

こんにちは。長部愛です。

レディスアパレル会社での10年以上のマネージャー経験をもとに、女性スタッフとの関わり方についてのコラムを書いています。


 

以前、各店舗の三番手を数十人集めて、とある研修をしました。

そのときの内容の一つに、所属するお店で起きたトラブルを発表してもらう時間がありました。

そこで飛び出してきたのはこんなことでした。

トラブル内容

店長が本社からの通達をみんなに伝えない

店長とサブが仲が悪い

店長が細かくてうるさい

・・・等

店長が、店長が、店長が・・・・という内容が、各店のトラブルに上がってきました。

「なにそれ!嫌だね~」「わあ!それ最悪~」と、一番の盛り上がりを見せましたね。

悪口って盛り上がりますよね。笑

まあ、これですっきりするならそれもいいと思い、好き勝手に発言をしてもらってたんです。

 

ひとしきり愚痴を言い終わった頃に、わたしは彼らにこう伝えました。

「店長ってね、孤独なんだよ。知ってる?!」と。

シーンと静まり、みんなポカーンとした顔をしていました。

 

その顔を確認してから、私は、店長の業務、店長というプレッシャー、葛藤・・・それらを彼らに話しました。

理解してほしいわけじゃなく、ただ知っておいてほしいと思ったんですよね。

店長なりの葛藤を抱えながら日々仕事をするという状態を、自分に置き換えて想像して欲しかったんです。

 

その話は丸一日の研修の中でも10分程度でした。

しかし、研修後のアンケートで印象に残ったのは?という問いに、『店長は孤独だと初めて知った』と何人ものスタッフが書いていたのです。

それくらい彼らにとっては新鮮な視点だったようです。


 

ということで、前置きが長くなりましたが、

今週は店長やリーダーの孤独について話をしたいと思います。

先週のコラムでは、問題児だったAさんのお話をしました。

その中で、「店長がいつも怒るから嫌だ」というセリフがあります。

そう。

Aさんにも少々問題はありましたが、実は店長の方にも深い葛藤があったのです。

今回はこのT店長のストーリーを紹介しますね。

孤独と戦う店長

Aさん絡みでなにか問題があると、T店長からはすぐにわたしに連絡が入ります。

T店長「またAさんが〇〇したんです!普通はそんなことしませんよね??何度言っても直らないんですよ!(怒)」

延々とこの調子で怒りが爆発してます。

フムフムと話を聞いてあげるだけで大抵は落ち着くんですが、あるときから、あまりにも小さなことにまで問題視し始めるようになりました。

重箱の隅をつつくように。

 

わたしは、むしろT店長のことが心配になり彼女とミーティングの時間を作りました。

 

T店長「もう怒りっぱなしで疲れました。みんなのためにやってるのにそれが通じない・・・。

怒っても言うこと聞いてくれないのは私の言い方が悪いのはわかってます。みんなに怖がられてるのもわかってるんです。

でも変われないんです!

毎晩帰りの電車でも反省するし、休みの日もずっと考えちゃって気が休まりません・・・店長なんて向いてないんですよね。もうどうしたらいいかわかりません(涙)」

 

彼女は、、、孤独だったんです。

 

その頃はイライラを増幅させる店長に対して、相談を受けるわたしも

「そんな小さなことは気にしなくてもいいんじゃない?」と話を流してしまっていました。

いつも怒っている彼女に「怒りすぎよ。もっと楽にすれば?」と言ってしまってたんです。

 

T店長は誰よりも熱心にお店のことを考えて行動してくれてました。

売り上げを上げたい。楽しく働けるお店にしたい、と。

店長とはこうあるべき!という彼女なりのルールを必死に守ろうとしてました。

やり方の良し悪しは抜きにして、彼女のその思いは本物だったんです。

 

わたしはそこを理解し、誰よりも味方でいてあげなければならなかった。

なのに「そんなにカリカリしなくていいのに」と内心思って、接していたんですよね。

それがますます彼女の「誰もわかってくれない」という想いに拍車をかけてしまっていたんです。

 

 

そして思い出しました。

わたし自身も店長になりたての頃、完璧な店長でいたくて自分一人で空回りしていたことを。

スタッフを信用できず自分だけで成果を出そうとして、ひとりでカリカリしていたことを。

熱意だけで、力でどうにかしようとしていたんですよね。

 

苦しかったな~

 

でも誰にも言えなかった。

店長としてダメな奴だと思われたくなくて。

店長は弱音は吐いちゃいけないと思って。

スタッフにも上司にも心を閉ざしていたんです。

 

 

わたしは店長にお詫びし、彼女への思いを伝えました。

 

長部T店長がそんなに思い悩んでることをわかってあげれてなくてごめんね。

あなたを店長にしたことをわたしは一度も後悔したことないし、これからも信じる気持ちは変わらないよ。

でもね、今のままだとスタッフは、T店長を信用できないかもしれない。相手に信じて欲しいなら、自分から心を開くしかないの。

ダメなところも弱いところも見せていいんだよ。Aさんを怒ってしまったことを後悔して、休みの日も悩んでしまうって言っちゃっていいんだよ。

それくらい本気で仕事のことを考えてるってことをみんなにちゃんと伝えよう。」

そう言うと、T店長は抑えていたものが決壊するように大号泣しました。

 

その後、AさんとT店長は話し合いをして素直な気持ちをさらけ出しました。

お互いに相手の意外な一面を知って、誤解していたことに気づいたそうです。

お互いの思いを知ったことで、自分ができることでサポートしたいと自然に思えるようになる良いチームになりました。

 

循環を始める人になる

店長やリーダーは「こうあるべき」というのを強く握りしめがちです。

そして一人で頑張りすぎることがあります。

男性女性問わずマジメな人であるほど、むしろその重圧に押しつぶされそうになっていることが多いように思います。

イライラしている人=頑張りすぎてる人=マジメな人

イライラしている人=孤独

自分自身の経験と、数多くの店長たちを見てきて、わたしの中にはこんな公式ができあがりました。

 

このコラムを読んでくださっている方には

「店長(リーダー)は孤独である」と知っていてほしいなと思います。

*兼重日奈子先生のコラムがとってもわかりやすいですので合わせてお読みください。

【「やって当たり前」の風土は、どこから生まれるか】 

 

と言っても、

上司に「大変ですね」なんて、ねぎらいの言葉を急に声を掛けることって難しいですよね。

イライラをぶつけてくる人なら尚のこと。

(わたしも苦手です)

 

でもそんな時は、

「この人はどんな生き方をしてきたのかな」

「わたしたちの知らないところではどんな仕事をしてるのかな」

と、ただ思いを馳せてみるんです。

 

人って、誰かのストーリーや背景を知るとグッと親近感が湧きますよね?

責められなくなる。少し味方したくなる。

だから、知ろうとするだけでいい。

ねぎらいの言葉なんてかけられなくても、「知っているよ」というその思いや気持ちだけで、十分に相手には愛が伝わります。

店長やリーダーはそんなふうに関わってくれる部下がいるだけで、とっても救われると思うんです。

 

「なんで私から?給料もらってる人からやるものでしょ!」と思う気持ちもよ~くわかります。(わたしは長年そう思ってました)

 

でも、誰かから始めなければ循環は始まりません。

これは職場だけでなく家庭でもどこでも同じ。

気づいてしまった人からやるしかないんです。

モヤモヤするかもしれないけど、先に気づいてしまった人のお役目です。

一緒にやっていきましょ(^^)