『働き方の選択肢』と、これからの会社やお店のあり方

こんにちは。長部愛です。

レディスアパレル会社での10年以上のマネージャー経験をもとに、女性スタッフとの関わり方についてのコラムを書いています。

 


  

先日、とあるIT業界の会社の社長さんのお話を聞いてまいりました。

その会社とは、700人余りの社員が全員、完全リモートワークをしているという会社です。

リモートワークとは、遠隔で働くという意味ですが、在宅勤務というのがイメージはしやすいかもしれませんね。

近年では自宅に限らず、ネットにつながっていればどこにいても仕事ができる環境というのが出来つつあります。

700人規模の社員が全員リモートワークというのは世界的に見てもまだ数社しかないそうですが、どんどんその動きは広まっているようです。

社員は全国43都道府県に渡っていらっしゃるそうで、性別も年齢もキャリアもバラバラ。

すべての社員に出来高での給料が支払われるので、東京に住んでいる人の給料が高いであったり、年齢に応じて給料が違うなどということもありません。

こうなると、関東に住む意味って何だろう?なんて思ってしまいました。

そもそも出勤が必要ないから、ラッシュの通勤電車なんて無縁。

もし地方に住んで生活コストを下げれば、金銭的にも余裕ができて圧倒的に自由な生活ができるようになります。

生き方がさまざま選べるようになるということですね。

今までの当たり前の概念がどんどん崩れていきます。

10年前には夢物語だったようなことが、実際に進んでいるんですよね。

 

店はどう変わっていくのか? 

この話を聞いていて「じゃあ、飲食店や小売の世界はどうなるんだろう?」と感じました。

お店でリアルにお客様と繋がることで仕事をするわたしたちにも、この恩恵をうけることはできないだろうかと。

 

そしてこんなことを思い出しました。

現役時代に、お給料問題で退社していった何人ものスタッフのことです。

 

 

アパレル業界は、給料水準でいうと決して高い方ではありません。

おそらく飲食業界や、接客業はそうなんじゃないでしょうか。

 

「接客は好きだけど、この給料では一人暮らしはできません」

「仕事は好きだけど、この給料では子育てできません」

「お客様も仲間も好きだけど、土日も休めなくてこの給料ではこの先が不安なのでやめます」

 

いったいこれらのセリフを何度聞いたことでしょう。

(もちろん、本当の理由は給料でない場合もありましたけどね)

 

その中には本当に仕事が、接客が好きだったスタッフもたくさんいました。

でも切羽詰まった状況にどうしようもなく退職を決めた彼女たち。

 

彼女たちが選んだのは、接客とは真逆の事務仕事。

お給料だけでなく、年頃になり結婚を意識し始めたり、家族を持つと、パートナーや家族との時間を持ちやすい働きかたにシフトしたくなりますよね。

なので、給料がすごく良いわけじゃなくても、

17時には退社できる

・土日が休める

それなら、と一般的な事務の仕事を選ぶスタッフが多かったです。

 

そんな子達が退社後にお店に遊びに来ると決まって言うことがありました。

「毎日机に座ってパソコン眺めてるだけで、本当はつまらないんです」

「本当はもっといろんな人と話せる仕事がいいんですけどね」

「洋服もネイルも髪型も好きなようにできなくてつまらないです」

 

お店での接客が大好きだったスタッフは、この3つをかならず言うんです。

(事務のお仕事がつまらないと言っているわけではないですよ)

やってみてわかったことだと思いますが、机に座り続ける仕事がきっと向いてなかったんですね。(笑)

 

でも、戻ってきたら?と言っても彼女たちは真面目に仕事を続けていました。

お給料のために。

自分の時間のために。

仕事は一つしかできないから、やりたいことがあるのに我慢して他の仕事をやっている。

この状況がなんとも切なかったですね。。。。

 

働き方を変える選択 

女性スタッフはライフステージによって、働き方を変えざるをえない状況になりがちです。

結婚・出産・転勤・介護・・・・

男女同権といいつつ、まだまだ女性は周囲の環境に自分を合わせることを求められます。

女性自身もそれを望んでいることが多いというのも事実です。

 

その度に、会社のシステムと合わずに優秀な人材が辞めていく。

もしくは、持てる才能を活かせない環境に甘んじるしかない。

わたしは現役時代に、そんな環境を歯がゆい思いで見ていました。

 

冒頭の社長のお話を聞いて、いろいろ考えるところがありました。

副業も認められるようになった昨今。

仕事をひとつに絞らなくてもいいわけです。

どちらも得ることができるようになりました。

もし、自宅にいながら別の仕事ができて他の収入源持つことができたら?

お給料などを理由にやりたい仕事を諦めたり、疲弊してしまう人にとっては朗報なのではないでしょうか。

本当にやりたいことを安心してやりながら、生活がしていける!

 

リモートワークだけでなく、今は個人が無料でもビジネスを始められる時代。

ネットショップを作って手作りの作品を売っても良い。

ブログを書いて売っても良い。

Youtuberになったって良い。

今は時間を切り売りしなくても、お金を受け取るシステムが、実はたくさんあるんですよね。

好きな仕事を続けるために、他のことでお金を生み出すと言う方法がある。

小学生だってネットの世界でお金を稼いでいます。

そしてなにもIT業界だけでなく、フリーランスの販売員、美容師、医師など業界問わずに様々な働き方が存在しています。

それが今の時代なんですよね。

 

もちろんメリットばかりではないでしょうが、働き方の変化は、着実にこの日本の社会において起きています。

特に若い世代はネットで情報を集めているので、新聞やテレビのニュースでは流れない情報にも触れています。

優秀な人材こそ、こういった自由な働き方ができる世界に流入しています。

もしくは、自分で仕事や居場所を作り出しているんですよね。

 

会社の中だけだと、どうしても同じ業界の中だけの話で視野が狭くなりがちです。

これからのリーダーは、社外のつながりももちながらそういった流れをキャッチすることも必要ですよね。

そして、自分たちの会社の中での仕事のやり方だけでなく、社員やスタッフに対して幅広い生き方の選択肢を提示するという重要な役割になってくると思います。

 

AIに仕事を奪われるとか、少子高齢化とか、将来に関しては暗い話題が多いですよね。

でも、これからは、

『本当に好きなことを仕事にできる時代になる』と、わたしは思います。

 

こんなことを書くとお店のリーダーや経営者の皆さんは心配になるかもしれません。

「そんなことをスタッフが知ったら辞めてしまうんじゃないか」

「もっと良い条件のところに行ってしまうんじゃないか」

「他の仕事をしたら、うちの仕事をおろそかにするんじゃないか」

など。

 

実際にそれは起こるかもしれません。

しかし、この世の中の流れはもう止められないと思うのです。

だからこそ、リーダーも経営者もスタッフも現実を受け止めて、これからのことをお互いに考えることが大切なんですよね。

この時代の流れの中で将来的にどのようなお店にしていくか。

どのような会社に変化していくのか。

 

競い合って他社からスタッフを勝ちとる、もしくは自社で囲い込むという時代ではないと思うんです。

これからの時代をスタッフ一人一人が、よりよく生きるために、会社は他の会社とどんな風に関わりあうのか。

そしてニーズに合わせてどんな仕組みを作るのか。

そんな会社の動きをスタッフはよーーーーーく見ています。

 


 

時代が変わり、人の生き方も求めるものも変わっています。

会社が個人を選べる時代は終わって、『個人が会社を選ぶ時代』

そこを感じとって変化していければ、選ばれる会社になれると思うのです。

スタッフに選ばれる会社が、結局はお客様にも選ばれる会社になるのではないでしょうか。

 

今回はだいぶ抽象的な話になってしまいました。

次回は具体的にお店での事例を紹介したいと思います。