「譲らないものはありますか?」あなたの気持ちを大切にするということ

こんにちは。株式会社マイクレドの稲森愛弓です。

このコラムでは、『言葉がけ』による、人材育成のポイントを中心にお伝えしています。


今日はいつもと少し違うテイストのお話です。

 

出会いがあれば、別れもそれなりに経験します。

人との関わりにおいて、私はどこで線引きをしているか?

 

そんなことをお話ししたいと思います。

自分のことを、つい後回しにしてしまう心根の優しいリーダーの方必見です!


 

私は、ことここに至るまでに、沢山のスタッフに出逢いました。

良い形で卒業してくれた人たちも沢山います。

ありがたいことに、彼らは今も色んな形で繋がってくれています。

 

逆に、自分のお店を同じ気持ちで大切にしてくれる人を育てることの

本当の意味がわかるようになるまでに、実際には沢山の苦い経験もありました。

 

長女気質で、自己肯定感の低かった私は、人との関わりにおいて、

不信感を抱いたり、理不尽さを感じても、我慢して飲み込むクセがありました。

 

お店の経営や人材育成においても、同じやり方をしていたのだと思います。

 

甘え下手でお願いする事が極端に苦手だし、

嫌われる事がとても怖かったから、

言いたいことは我慢して自分が頑張ればいい。

「伝わらないのは、自分のやり方が悪いからなんだ」

そんな風に長い間、自分に言い聞かせてやってきました。

 

ですが、このやり方だと絶対にうまくいかないんです。

 

なぜだかわかりますか?

 

それは、自分の軸が定まっていないからです。

言い換えれば、自分を信頼していない状態とも言えます。

 

「優しさ」を勘違いして、相手の様子ばかりを気にしていると、

その言動に一喜一憂してしまい、本当に自分が大切にしたいことを見失います。

 

相手に寄り添うことと、振り回されることは違うので、

ここを履き違えるとエネルギーはどんどん消耗し、

自分自身は疲弊してしまいます。

 

そして、不思議なのはこの「あり方」だと、

自分の周りには、

構って欲しい、癒してほしい

そんな人たちばかりが集まってくるようになります。

 

こうなってくると、時間やエネルギーをかける方向が違ってくるので、

本来自分がやりたいことや、なりたい姿からはどんどん遠ざかっていきます。

 

私は長い間、色々な問題が上がってくる度に、

その都度全力で向き合ってきましたが、

このやり方でうまくいくはずもなく。

 

ほとほと疲れ果てた時に、

「何かが違うからうまくいかないんじゃないか?」

そう思うようになりました。

 

そして、散々自分と向き合い自問自答していくうちに、

あることに気づきます。

 

「自分の感情に蓋をしていたこと」

残念に思うことや悲しみや憤り、このような負の感情をなかったことにして、

我慢し続けていたなあと。。。

 

しかも、重たい漬物石まで乗せたような状態で、

随分長いことほったらかしにしていることにようやく気づきました。

もはや発酵しているレベルだったんじゃなかったかと思います(笑)。

 

『経営者だから、できて当たり前』

『やって当然、楽しちゃいけない』

『甘えちゃいけない、頼ってはいけない』

『しんどいことは自らやらなきゃいけない』

『辛くても弱音を吐いてはいけない』

 

沢山の

〜ねば

〜べき

を、自分自身に課していることに愕然としました。

 

そしてこのことに気づいた時から、

自分の気持ちに向き合い、癒し、「どう感じてどうしたいか?」について、

ひとつひとつ丁寧に向き合うようになりました。

 

ここをクリアにした後に、

一番に自分自身のことを信じる事が出来るようになって、

目の前にいる人のことも、無条件で信頼できるようになりました。

 

相手がどう感じて、どう受け取り、どんな選択をしたとしても、

そのことを不信に思ったり不安を感じたりすることがなくなります。

 

本当の意味で自分の気持ちを大切にする事が出来るようになると、

相手の気持ちも心から尊重できるようになりました。

 

それができるようになったら、次は、自分がどこまでやるのか?

どこからはやらないのか?

大切にしたいもの、手放した方がいい事、

そんなものも明確にわかるようになりました。

 

参考までに、じゃあ私の線引きはどこかと言うと、

「辞めたい」という言葉がスタッフ自らの口から出た時です。

 

もちろん、やりたい事が見つかったからとか、

おめでたい理由なら祝福して送り出せますが、

そうじゃない場合でも引き止める言葉は一切かけません。

 

理由はもちろん聞きますよ。

だけど、(少し冷たく感じるかもしれませんが)引き止めたとしても、

その先に良い関係を築けることは難しいと思うから。

 

そうなると、ほとんどの場合

「お店(私)のために残ってやった」

「自分がいなきゃこの店は困るだろ」

そんなエネルギーを出すようになります。

 

はい、これも実体験で立証済みです(笑)。

 

そして、ここまできっぱりと線引きできるのには、ちゃんとした理由があります。

なぜなら、私自身が、彼らとの日々の関わりを大切にしている自信があるからです。

その時々、目の前の人を大切にしていれば、

終わりがどうであれ納得する事ができるし、

後悔が残ることもありません。

 

これまで共にした時間や出来事に、感謝をもってお別れし、

彼らのこれから先の人生に、心から幸運を祈るだけです。

 

相手を大切にする気持ちと同じだけ自分の気持ちも大切にすること。

起きた出来事に、必要以上に感情やエネルギーを奪われないこと。

心と体を健やかに保つことも、立派なお仕事だと私は思います。

 

自分の中の譲らないものを決めておいて、

「これ以上はやりません」と、そっと線を引く。

 

これができるようになれば、ひどく落ち込むことも、

仮に落ち込んだとしても、戻ってくるまでの時間がかからなくなりますよ。

『正解や不正解、常識や非常識』

そんな物差しを気にせず、自分の心が決めていいんです。

 

あなたの譲らないものはなんですか?