【実録「やめない店は、こうつくる!」EPISODE2】

「ねぎらい」(無条件の感謝と、存在の承認)で、「やめない風土と仕組みづくり」を推進する、ねぎらいカンパニーの兼重です。

 

本日もご訪問いただき、ありがとうございます。

 

先回から、スタートしております、【実録「やめない店は、こうつくる!」】

「やめない店」のつくり方を、ストーリーで綴っていきます。

 

第一回目の内容は、こちらから。

前記事:新連載スタート!【実録「やめない店は、こうつくる!」EPISODE1】

 

【あらすじ】

ある企業様との約3年に渡る「やめない店プロジェクト」。

なかなか、人が定着しないある小売企業。状況を把握するため、店長面談を行うと、途端に泣き出す店長。「店長の仕事とは?」を教わっていないまま、店長になってしまい、プレッシャーに圧し潰されてしまっている田中店長。

しかし、その上司である女性マネージャーは、田中店長の「甘さ」に言及。

「もっともっと苦労してもらわないと」という女性マネージャーの言葉に、人が辞める要因が隠されていると感じる、筆者だった。

 

【実録「やめない店は、こうつくる!」EPISODE2】

【やめる要因を探る】

クライアントさんを、怒鳴ったのは、生まれて初めてだった。

 

「そんなの、辞めるに決まってるじゃないですか!!こんなこと、いつまで繰り返すんですか?!」

 

その会社の「店長教育」は、今思えば、こうだった。

  1. 前任の店長が辞める
  2. 既存スタッフの中から、一番、「店長に向いてそうなスタッフ」を選び、店長を任せる
  3. 「やってみないとわからないから」といって、まずやらせる
  4. わからないことは、自分で調べさせる
  5. 困難を乗り越えてこそ、店長
  6. そこで、挫折し辞めていく店長は、「出来ると思ったけど、ダメだったね」と、また次の候補を探す
  7. 1に戻る

これを、長らく続けてきた結果、「人が辞める体質」が、いつの間にか根付いてしまっていた。

「人が辞める体質」、その根底にあるのは、

 

「店長とは、こうあるべきもの」

 

という、「暗黙のルール」という名の、強固な「思い込み」だった。

 

☑店長は、自分で問題解決をする

☑困難を乗り越えてこそ、強い店長になれる

☑期待すればするほど、店長はその期待に応えようとする

☑「店長の仕事」は、やっていくうちに覚えていく(最初から教えなくてもいい)

☑店長は憧れの職業。みんな店長になりたがっている

 

その会社における「店長」とは、まさに、「スーパーヒーロー」のような存在。

それを目指すこと自体は、決して間違いではないし、まさに「スーパーヒーロー」のような店長が誕生することは、喜ばしいことだ。

 

だが、大切なことが見落とされていた。

 

「そんなスーパーヒーローなど、どこにもいない」

 

ということと、

 

「もし、店長をスーパーヒーローにしたいのなら、ゼロから育てる覚悟を持つ必要がある」

 

ということです。

 

ただ。

この状況は、実は、この会社に限ったことではない。程度の違いはあれど、どの企業も「スーパーヒーロー」のような店長の出現を密かに待ち望んでいる。

「店長はこうあってほしい」と願い、その理想を相手に求め、結果、「私にはムリ」と人が去っていく。

この連鎖をどこかで断ち切らないといけないのだ。

 

【本当につらかったのは】

 

私は女性マネージャーのほうを向き、こう言った。

「人って、そんなに強くないです。崖から突き落とされて、一体どれくらいの人が、自力で這い上がってこられるでしょう。大切なのは、崖から突き落とすことじゃないです、“共に崖を乗り越えること”です。〇〇さん(女性マネージャー)だって、ご自身が店長をされていた時代は、お辛かったんじゃないですか?」

 

すると、マネージャーから、意外な言葉が返ってきた。

 

「実は私、、、店長経験がないんです。だから、店長という仕事がどんなものかとか、どれくらい大変なのか、、、正直、わからないんです」

 

今度は、私が、呆然とする番だった。

 

ーEPISODE3に続くー

 

【今日のポイント】

例えば「スタッフが育たない」お店があったとします。

その要因は、「店長が育っていないから」です。

「店長が育たない」お店は、その上司であるマネージャーのマネジメントスキルや、「育てる仕組み」が育っていないことが、要因です。

育っていないから、できなくて当然です。そこに憤りを感じていても何も始まりません。

 

その時、私が受け取ったのは、

「女性マネージャーの、人知れず抱えてきた葛藤や苦労」

でした。

店長経験のない自分。でも、自分に与えられた役割は「店長教育」。

店長が「辞めたい」と言い出せば、「マネージャーのお前が、なにやってるんだ」と言われる。でも、どうしていいかわからない……。

これほど苦しいことはないでしょう。答えの全くわからないテストを、永遠とやらされているようなものです。

マネージャーが教わった店長教育とは、「まずは、やらせてみよう」であり、「困難に直面させて、自分で乗り越えさせよう」であり、「店長とは、スーパーヒーローであれ」でした。もちろん、それではうまくいくはずもなく、思えば、マネージャーこそが、八方ふさがりだったと思います。

 

「やめない店」をつくる上で、まず最初に行うことは、「店長の声に耳を傾けること」だと、前回もお伝えしました。

店長の言葉から、「やめる要因」を探り、「やめない仕組み」を考えることです。

 

この会社で、最も必要なことは、「店長が育つ仕組み」を考えることでした。

「店長とは何か?」を知らない一スタッフから、「スーパーヒーロー」にまで育てる「仕組み」です。

その仕組みの一つは、「マネージャーや本部の役割を明確にする」ことでした。

 

マネージャーは何をする人?

店長が育つために、本部は、どんなサポートが必要?

 

次回は、それを導き出していきます。

 

「店長教育」の前に、大切なこと、それは、

「本部改革」

でした。

 

まだまだ、やることは山積み、でも、一つ一つ解決していけば、必ず道は開けることを、私も学んでいったのです。