スタッフが辞めてしまう店になる要因を考えると、辞めない店の作り方が見えてくる

こんにちは。

接客販売トレーニング&コンサルティング事務所kocori代表の坂本りゅういちです。

当コラムでは、スタッフの方々が、お店を辞めずに成長していけるような教育についてお伝えしています。

スタッフが辞めてしまう”3つの要因”とは?

この1ヶ月ほどで、以前から通っていた近所のカフェのスタッフさんが、かなり入れ替わりました。

私は作業がある時に、よくそのカフェを使っているのですが、去年店長が変わったそのお店は、以前から長く勤めていたスタッフさんが減っていき、新人スタッフの方が増えています。

もちろん、学生アルバイトのスタッフさんも多いので、3月から4月にかけて、スタッフの入れ替わりが多いお店ではあるのですが、店長も短期間でまた交代をするなど、残念ながら、決して良い状況とは言いにくいお店になりつつあるのです。

人が辞めてしまう要因がわからなければ、人が辞めないお店を作ることは不可能です。

そのお店で原稿を書きながら、改めて、『なぜスタッフが辞めてしまうのだろう?』ということについて考えてみました。

これについて、私なりに考えた結果の要因が、以下の3つです。

スタッフが辞めてしまう3つの要因

1)店に合うスタッフを採用できていない

2)スタッフが「この店で働く意義(理由)」を感じられていない

3)コミュニケーションが取れていない

1)店に合うスタッフを採用できていない

他の専門家の先生方も書いていらっしゃることで、そもそも論になってしまいますが、店に合うスタッフ、つまり、店のコンセプトや在り方に合っていないスタッフを採用してしまっている可能性があります。

逆を言えば、店に合うスタッフが採用できていないということです。

お店には、それぞれの『色』があります。

どんな商品を販売しているか、どんなサービスを提供しているかだけではなく、もっと根本的な部分で、『こういう店にしたい』とか『こういう店でありたい』という色が存在しているわけです。

これは、人によって左右されるものではなく、店としてのコンセプトの話になってきます。

ここをしっかり採用する側(店長など)が理解していて、それに合うスタッフを入れることができていないと、後々どれだけ教育をしても、徒労に終わってしまうなんてことが少なくありません。

例えば、アパレルショップで、

『接客で、お客様に似合うお洋服を、いつまでも提案していけるお店』

といったコンセプトを持ったお店があるとしましょうか。

そのお店では、「接客で、お客様に似合う洋服を提案する」という、コンセプトがあるため、基本的に、お客様にしっかり接客をして提案をするのが前提です。

しかし、そこで採用しているスタッフが、

「私は接客されるのが大嫌いです」

というようなスタッフばかりだとしたら、どうなるでしょうか。

店のコンセプトにそもそも合っていない考え方を持ったスタッフなのですから、いくら「接客をもっとしていきましょう」「笑顔でお客様と触れ合いましょう」という教育をしたとしても、途方もない時間と労力がかかってしまいます。

それでも、理解してくれるならまだ良い方で、結局、「私は接客したくないんで」といって辞められてしまうようなら、本当に徒労でしかありません。

そうならないためにも、採用する以前から、「この店はこういう考えを持っています」ということを全面に押し出して伝えて、理解しておいてもらうことが必要なんです。

それをせずに、採用してから、「この店はこういう店だからね」などと伝えていても、そこに食い違いがあっては、後の祭りとなります。

最初から、「こういう人材を求めています」を必ず伝えておくこと。もし、どうしても人材が足りていないという場合でも、「こういう教育をしますよ」と事前に伝えておくかどうかだけでもかなり違いが出てきます。

これは、人が辞めない店を作るためには、欠かせないのではないかと考えます。

2)スタッフが「この店で働く意義(理由)」を感じられていない

お金は大事です

働くということは、イコールお金を稼ぐということでもあります。

世論的に、「お金のために働くなんて」的な風潮がある場合もありますが、いやいや、お金をちゃんともらえない店や会社で働くことはできません。誰だって、働く時間というものは長い時間をかけることになりますし、そこには生活がかかっていますから。

ただ、お金だけが理由になっているというのも話が違ってきます。

お金だけが働く理由になっていると、もし他に割りの良い仕事が見つかれば、誰だってそちらを選びます。

特に昨今は、転職をすることが昔のように否定的に受け止められることも減ってきているため、多少転職をして履歴書の経歴が変わったとしても、気にする人が少なくなってきました。

ましてや、アルバイトスタッフに関しては、そんなことをほとんど気にする必要もありません。

ということは、お金だけでつなぎとめることは難しいということです。

だからこそ、その店や会社で働く意義(理由)をしっかり感じてもらうことが重要になってきます。

ここについては、以前にもお伝えしたような、『成長を実感できること』や(参考記事)、『ここで働くのが楽しい』『この人たちと長く働きたい』と思ってもらえるような関係づくりなどが必要です。

何れにしても、そのスタッフさんにとって、何が働く意義になっているのか?そして、それを引き出すためにはどんなことを知っておかなければいけないのかは、常々考えておくべきことでしょう。

それができていなければ、いくら時給を上げても、「辞めます」の声に怯え続けなければいけなくなってしまいます。

3)コミュニケーションが取れていない

そして、最も重要と言えるのが、ここです。

スタッフとのコミュニケーションが不足していること。

現実問題として、お店を辞めていくスタッフの多くは、これが原因であることがほとんどです。

単純な、人間関係が嫌になって、という場合もあれば、先ほどもお伝えしたような、意義を感じられないようなコミュニケーションしか取れていないということもあります。

そもそもの、店に合うスタッフを採用できていないのだって、コミュニケーションの不足からきていることが多いわけです。

冒頭でお話したカフェも、これが理由で、スタッフが続々と入れ替わっています。

私は個人的にこのカフェの利用率が高くて、実は結構、このカフェのスタッフさんと会話をしていました。以前勤めていた店長とも仲が良くて、スタッフさんを含めて、一緒に飲みに行ったりということもありました。

その店長さんがいた頃は、スタッフ同士が良い意味で仲良くやっていました。

仕事に対して、お客様に対してはとても真摯に向き合って良いサービスをしてくれるのですが、普段の仕事中も、よくコミュニケーションが取れていたのです。

そこには、店長が潤滑油として店内のコミュニケーションを円滑に図ろうとする姿勢がありました。

ちょっとしたことでも、笑顔で声をかけて、スタッフの成長を促す。

スタッフが少し悩んでいるようなことでも、ちゃんと話を聞いて知っている。

お客様からあまり良くないクレームを受けた時も、叱るべきところは叱りつつ、でもちゃんとスタッフのことは守る。

そういうコミュニケーションを取り続けていたのですね。

しかし残念ながら、その店長が自分の夢を追う転職のため退職してからは、雰囲気が一変してしまいます。

特に、コミュニケーションの部分においては、外から見ていても明らかに良質な状態ではなくなっていて、店長が一人で仕事をしていて、周りのスタッフはスタッフ同士でダラダラとおしゃべりをしている、なんて光景を目にする機会が増えました。

結果として、人がどんどん入れ替わり、新しく入ってきているスタッフたちも、先輩や上司のそんな様子を見て仕事を覚えているので、悪循環に陥ってしまったのです。

ただ今はまた店長が変わり、その店長が結構な頻度でスタッフさんと面談をしたりしているため、コミュニケーションの頻度や質が戻りつつあり、以前のお店の様子に少しずつ近くなりつつあります。

決して、その間に入った店長を批判したいわけでも何でもありませんが、ほんの少しの違いが、これだけ店の様子を変えてしまうのかと、改めて目の当たりにしてしまい、若干の恐怖を感じるくらいになっています。


少し長々と書いてしまいましたが、以上が、個人的に感じている、『スタッフが辞めやすくなる3つの要因』なのではないかと思っています。

もちろん他にもいろんな要因はあるはずですが、この3つは特に大きな理由になるのではないかと。

ですから、逆に、この3つをしっかりとケアしていくことができれば、スタッフが辞めにくいお店が作れるはずです。少なくとも、これらが原因で辞めてしまうようなスタッフは減らすことができます。

私も含め、お店で働く方々も、スタッフが辞めない店にするための方法を考えることが多いことは確かですが、まずはその要因が何なのかを理解していないと、「そのために何をするか」といった手段が見えてきません。

手段を考えるのは、目的を明確にしてからです。

ここを間違えないようにして、きちんとステップを踏んでいきましょう。


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